預貯金の相続には遺言を!③

前回、預貯金の相続手続が「スムーズにことが運ばない場合」についてお伝えしました。
今回は、相続発生後に苦労しない、預貯金の相続手続をスムーズに進めるための「遺言による預貯金の相続方法」をお伝えします。

まず、「遺言」がある場合の預貯金の相続手続は以下のとおり。
わかりやすいように、亡くなられたご主人が「奥様に財産を全部相続させる」とした遺言を遺していた、という前提でお伝えします。

①奥様が銀行窓口に行く

②銀行所定の書類に奥様がサインし実印を押印。奥様の「印鑑証明書」と「相続を証明する書類」を提出
→相続を証明する書類・・・故人の死亡した記載と、奥様の現在事項の記載がある戸籍謄本(1通にお二人の記載がされています)

③一週間後~数週間後に故人の口座が解約され、奥様の指定口座に振込。

以上です。
遺言書が無い場合の手続と比べて、大幅に作業を省略できることが一目瞭然です。

「作業が省略できる」よりもっと重要なこと

しかし、「作業が省略できる」よりもっと重要なことがあります。
それは、生前にご主人が、大切な奥様のために、しっかりと遺言を作成しておくことにより、ご主人が亡くなった後、「奥様が単独で、スムーズに預貯金の相続手続を完結できる」ということにあります。
遺言書の最大のメリットは、この「口座解約や金融資産の相続手続を、他の相続人に協力してもらわなくても完結することが可能になる」ということにあります。

預貯金口座の名義はご主人名義だとしても、実質、ご夫婦の預貯金は、ご夫婦が協力して形成した「夫婦の共有財産」であることが大半だと思います。
しかし、口座名義がご主人である以上、口座の中に入っているお金は、外形上「ご主人の資産」ということになり、そのお金が貯蓄されるまでのプロセスをご夫婦以外の人に認めてもらうことは、上記の例のように関係性が悪いご遺族のような場合は、ほぼ不可能でしょう。
「奥様が定期的に入金していた記録全てが預金通帳に残っている」「入金の度に帳簿や領収書を残しておいた」といった周到な準備をしていない限り、難しいと思います。
よく「お金に名前は付けられない」と言いますが、お金に名前が付けられない以上、「名前の付いた銀行口座」に入っているお金は全て、口座名義人のお金であると判断されてしまうのです。

実務上、遺言書を作成する際に、遺言書を公正証書で作成したり、遺言書の中身を色々と定めておく必要があるのですが、生前にその「多少の手間」をかけなかったばかりに、相続発生後に、相続人間で「骨肉の遺産争い」が繰り広げられる事態に陥ってしまうことが多くあります。

遺言書作成業務をご依頼いただく場合、その「手間」を私たちがお手伝いさせていただくことで、大幅に負担を軽減していただくことが可能です。また、お亡くなりになった後に「最短・最適の方法で遺産相続手続」を進められるように、遺言書の内容を設計させていただくのも私たちの仕事です。

「遺言書を作っておいたほうがいいのかなぁ」と少しでもお考えの方は、一度ご相談ください。